チャラ男とちょうちょ
「まだお店始まるまでちょー時間あるじゃん!撮影時間とかなんとかなんないの〜」

「どうする?飯食いに行くか?」

「店長、これからいろいろ準備あるでしょ?それまでゆっくりしてなよ」

「リオナはどーすんだ」

「一旦帰って寝るー」

「送るか?」

「だーいじょうぶ!店長心配しすぎ」

そう言ってあたしはお店を後にする。
まだ明るいこの街を見るのはなんだか不思議な感じがする。
あたしは大きく息を吐くと、駅の方へ向かって歩き始めた。



「あ!愛咲リオナ‼︎」



突然名前を呼ばれてびっくりする。
確かにあたしは愛咲リオナだけど。

「やっぱ、本物はかわいいわ!」

あたしの名を呼んだ男はかなり馴れ馴れしい。


(なに、コイツ…)


身長が高くて女受けは良さそうなそいつは、まるであたしの知り合いかのように振る舞う。

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