チャラ男とちょうちょ
「リオナ、知り合いか?指名入ったぞ」

店長に言われてその卓を見ると見たこともない女の子が2人座っていた。

「知らない」

最近はキャバ嬢がモデルをしている雑誌が売れてるせいか、女の子がお客様として来店することも珍しくなかった。

「お待たせ致しました。リオナです」

あたしは2人に名刺を渡す。

「うわっ!写真で見るより顔ちっさ!」

と1人が言った。

「そんなことないですよ。あ、水割りでいいですか?」

「いいよね?」

「うん」

あたしはさっと水割りを作って2人に差し出す。
水割りぐらいなら目をつぶっても作れる自信があった。

「手際いい!はやーい」

と、感心された。

「もしかして、同業さんですか?」

「あ。わかります?あたしたち、隣の街のクィーンズで働いてるんです」

(クィーンズって裕貴が働いてるお店じゃん)

「あぁ、斜め向かいのzeroさんの系列店の?」

とあたしは聞き返した。
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