チャラ男とちょうちょ
「ありがとな、リオナ」

「店長が頑張れってうるさいから」

そう車の中で話す。

「ほら、これ!ゆっくり休めよ」

店長はあたしに入浴剤を渡した。

「ありがと!」

「風邪引くなよ?ちゃんと寝るんだぞ」

「なーんかお父さんみたい!お疲れ様でした」

そう言って車を降りて、店長に手を振る。
店長の車が見えなくなってから、エントランスをくぐると、誰かが座っていた。

「…裕貴?」

その誰かはあたしの声を聞くと俯いていた顔を上げた。

「まな…み」

「やっぱり飲み過ぎてたんじゃん!風邪引くよ、こんなとこに座ってたら」

「やっぱ、バレてたんだ」

「あたしの部屋、行くよ?」

あたしは裕貴を起こして、自分の部屋まで連れて行った。
< 60 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop