チャラ男とちょうちょ
裕貴をソファーに座らせて、あたしはコップに水を注いで裕貴にも渡す。


「愛咲リオナってすげーな…」


水を一気に飲んだ裕貴はボソッとつぶやいた。

「すごくないよ」

「すげーよ。オレ、客があんなふうになるの初めて見た。…愛咲リオナって、かわいいからNo.1なんだって思ってた。だけど違った」

「裕貴、飲み過ぎたんじゃない?」

「…飲み過ぎてねーし」

「わかったから、ベッドいこ?」

あたしは裕貴を自分のベッドルームに連れて行って寝かせた。

「真奈美?」

「なーに?…お水ならここに置いとくから飲んで」

「真奈美、好き。…リオナの時の真奈美も好き。だけど、そういうの全部含めて真奈美が好き」

「はいはい」

「真奈美…離れないで」

小さな声で裕貴はそう言うと眠ってしまった。


恋愛は惚れた方の負け。
本当にその通りだと思う。
やっぱり、そんな風に言われちゃうと嫌いになんてなれない。
そんな風に言われたら怒れないじゃん。

「ずるいよ…」

あたしは眠る裕貴にキスをした。
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