チャラ男とちょうちょ
4月は裕貴の誕生日。
相変わらずあたしはシカトしていた。

でも誕生日は一年に一度だからと思い、プレゼントを選びに行った。
いつも身につけられるものがいいかな、と各フロアを回った。

裕貴は財布は新しいヴィトンのものを持っていたし、アクセサリーも結構いろいろ付けている。

(あ!)

あたしはヴィトンのネクタイとネクタイピンをセットで買った。
ネクタイはスーツだからもちろんするし、ネクタイピンは毎日付けているのを知っていたから、プレゼントしたらつけてくれるかなと思ったのだ。


「真奈美、何してる?」


裕貴の誕生日の夜、電話がきたからあたしは出た。

「今日は休み。さっきまでルナちゃんとご飯食べてたけど」

「これから、うちの店の方来れる?」

「はぁ⁉︎なんでよ」

「会いたいんだよ!でもオレ仕事中なんだよ」

「じゃあ今日じゃなくてもいいじゃん」

「いいから、来てよ!じゃーね」

裕貴は強引に電話を切った。

(なんなの?)

そう思いながらもプレゼントを持って電車に乗った。
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