チャラ男とちょうちょ
(あーあ。もっと違う渡し方出来ただろうに)

そう後悔しながら、あたしは帰ってきた人の流れとは逆に駅の中に歩いて行った。



「真奈美!」



そう呼び止められて振り向くと裕貴が走ってきた。
そしてあたしの腕を引っ張ると、キスをした。

まだまだ人でごった返す駅。
時間が止まったような気がした。


そんなあたしたちを見た通りすがりのおばさんは、口をあんぐり開けていた。






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