チャラ男とちょうちょ
ビルの上の看板を新しくするとかであたしは撮影だった。

この間は、あたしとルナちゃんとつかささんの3人で撮影したけど今回はあたしひとり。
とりあえずあたしは、メイクをした。
いつも自分でメイクしてから、あとでヘアメイクさんに手を入れてもらっている。

「いいなー…。愛咲リオナはみんなから必要とされてて」

あたしは鏡に映った自分にそう話しかけた。


今回は力をより入れているのか、店長からもいろいろ指定があった。
ドレスもお店が用意してくれたものを何着か着たり、羽を飛ばしてみたり。
いつもは割と好きなようにやらせてもらえるけど、今日は本当に細かくて意外と神経を使った。

撮影が終わると、店長から携帯を渡される。

「リオナちゃん、お疲れ様。」

声の主はオーナーだった。

「オーナー…お疲れさまです!」

「今日は大変だったね。俺も撮影に行きたかったんだけど、忙しくて。ごめんね」

「大丈夫です」

「今日用意したドレスは俺からのプレゼント。受け取って」

「えぇ!あんな、何着ももらえません」

「リオナちゃんは毎日頑張ってくれてるから。あれ着て他の雑誌に出てよ!…それが俺の楽しみだから」

「ありがとうございます」

「無理はしないように。辛くなったら山口に言うんだよ。言いづらかったら俺に直接連絡してきてね」

「はい!」

「じゃあ、山口に代わってもらえるかな?」

あたし携帯を店長に返した。
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