チャラ男とちょうちょ
「撮影?」

駅を降りてすぐに声を掛けられた。
下を向いて携帯で話しながら歩いてたあたしは、顔を上げる。
あいつだった。

「…」

「愛咲リオナって無愛想なの?これにはめちゃくちゃ笑顔で映ってるのに」

手にしていたのは先月のフリーペーパーだった。

「なんで見ず知らずのやつに愛想良くしなきゃいけないの?」

携帯を切ってあたしはそいつに答えた。

「まぁ、言われてみればそうだなぁー…。でもさ、これって何かの運命じゃね?」

呆れて物が言えないあたしの携帯を奪うとそいつはあたしのアドレスと電話番号を自分の携帯に登録した。

「何すんのよ!」

「後で連絡するー♪」

あたしの話を無視してそれだけ言うと、そいつは他のボーイの元に戻って行った。

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