チャラ男とちょうちょ
そんな頃、zeroのオーナーがうちのお店にやって来た。
サラさんを連れて。

「この度は大変ご迷惑をおかけしまして、申し訳ありません！」

そう深々と頭を下げるzeroのオーナー。

「あの、気にしないでください。もう大丈夫ですから」

あたしはそう返す。

「いろいろ言われて、仕事に影響はありませんか？うちのは愛咲さんのように名の知れたモンじゃないんで何ともないですが、愛咲さんとなると…」

すまなそうに言った。

「影響がないといったら嘘になりますが、幸いリオナのお客様は良識のある方々ばかりなので問題ないです。それより、お宅のキャストの指導がなっていないのではないですか？」

店長がそう言った。珍しく相当怒っているようだ。
店長の言葉にzeroのオーナーはひたすら謝るばかりだった。

「もう、いいじゃない！ね！あたしは気にしてませんから」

話がややこしくなるのもそれはそれで面倒だったので、あたしはそう言った。
リオナがいいなら、と店長は言って話はついた。

「サラも、謝りなさい」

「…すいませんでした」

サラさんは納得いってないようだった。
上げた顔は、あたしをキッと睨んでいた。
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