チャラ男とちょうちょ
「ちょっと、電話…」

裕貴はあたしを包みながら携帯に手を伸ばすと電話をかけた。

「あ、清水です。お疲れさまです。今日の社長ミーティングなんですけど、ちょっと熱あって。はい、出勤はしますけど遅刻します」

裕貴はそう言って電話を切った。

「社長ミーティングなんて知らなかった‼︎…早く着替えないと‼︎」

あたしは焦った。
社長ミーティングなんて重要な日に、遅刻させるなんて。

「遅刻していいって言われた」

「でも…‼︎」

「ヤッて、じゃあ仕事だからバイバイっていうのはイヤだから」

裕貴はあたしを抱き寄せて、またキスをした。
このままずっと時間が止まってくれればいいのにと何度も思った。
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