追憶の勿忘草〜例え記憶がなくとも〜
俺は石蕗 芝桜。
ラベンダー〜あなたを待っています〜
《芝桜side》
………だりぃ。
今日から高校が変わる。
一体何回変われば良いんだ………。
俺は、石蕗 芝桜。
ある目的の為に、高校を転々と転校している。
だがこれも今日で三十回目だ。
流石に疲れてきた。
だけど、あの目的を果たすためなら
何回転校しても構わない。
………そんなこんなで、もう今日は
新しい高校へ転校する日。
さて、此処にあの子はいるかな。
俺は、先生とクラスの前まで行った。
暫く待っていると、
先「ほら、石蕗、入れ。」
呼ばれたから開けて入る。
自己紹介をすると上がる糞女共の黄色い声。
何処に行ってもこの声を聞いた。
正直言って気持ち悪かった。
あれ、でも、声をあげてない子が一人。
ふと、其方をみると、丁度目が合う。
芝「───────っっ!?!?」
嘘だろ…………。
だが、見つけた。
間違いない。あの子だ。
やっと会えた…………。
ズカズカとその子に向かって歩き、
あーだこーだ言って確信した。
合っている。本当にこの子だと。
やっと会えた。やっと会えたね、
─────八重咲 桔梗(ヤエザキ キキョウ)。
でも、今は…………花蘇芳 鬼閖、か。
花言葉だから、不信と嫌悪、か……。
ごめんな、桔梗……………。
俺が、弱かったせいで…………………。
それだけじゃないか……………。
俺は願う。
せめて、前と同じ事にはならないように…。
だから、頼む。
───────待っててくれ………………。