黒愛−kuroai−
カラー ピン
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5月下旬、日曜日。
今日はテニスのインターハイ予選県大会。
柊也先輩は二年生の中で一番上手い。
次期キャプテンと噂されるエースだ。
男子シングルス地区大会は難無く勝ち進み、いよいよ県大会が始まる。
会場は少し遠い場所。
菜緒は遠くて行けないと言うので、私一人で応援観戦に行く。
電車とバスを乗り継ぎ、大きな総合体育館にやって来た。
12面もある広い屋外テニスコートで試合が行われる。
うちの高校は割とスポーツに力を入れている。
テニス部の成績も良く、
昨年は男女共にシングルスで、全国大会に出場していた。
広いコート周辺には、
色んな学校のジャージが入り乱れている。
数分うろうろして、
真っ白なジャージの背に『賢王第一』のうちの校名を見付けた。
県大会まで進んだのは5名、
柊也先輩を含めたそのメンバーが、コート脇でウオーミングアップ中だった。