黒愛−kuroai−
 


後悔はまだ足りない。

更に言葉を重ね、彼を追い詰めた。




「柊也先輩、最近、私に飽きていたでしょう?」




「… 何言ってんだよ…」




「隠さなくていいです。

お昼はたまにしか一緒に食べてくれないし、テニスの応援も毎日はダメって…

デート回数も減っています。

気付かない方がおかしいです」




「………」




「だから言えなかった。

イジメから私を守るのを口実に、別れを切り出される気がして…すごく怖かった…

別れよりイジメの方がいい。

私、柊也先輩が大好きだから…

“アナタのファンにイジメられても側にいたい”」




一気に想いを伝え、ボロボロ泣いた。




先輩はヒドイ男だね。

一途に想う彼女をほったらかし、一人の時間が欲しいと考えて。



放置した彼女は、イジメられていたよ。

ファンの子に制服を切られ、大切な黒髪まで切られそうになっていたよ。



可愛い彼女がこんな目に合ったのは、柊也先輩のせいでもあるよネ?


気付かず守れなかったこと、激しく後悔しているよネ?



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