黒愛−kuroai−
 


専門店のパスタが500円で食べられる…

これはマックに空席が無くてラッキーとばかりに、顔を見合わせ笑った。



ウキウキしながらパスタ屋に向かう。


大通りから中通りに入り少し歩くと、目的の店を見つけた。



オフィスビル1階に入るその店は、オシャレで大人向きのシックな外観。


貼られているメニュー表の通常価格は高め。


開店特別価格の今日以外、来ることはなさそうだ。



中に入る。

混雑しているが、空席はあった。

にこやかな店員に案内され、奥の2人用テーブルへ。



席に座り、メニュー表を見る私。


柊也先輩は周囲を見回し、

「あ…」

小さな驚きの声を漏らした。



彼の視線を辿ると、テーブルを一つ挟んだ横並びの席に、白いセーラー服3人組がいた。



一人は、肩までのふんわりウェーブの美人。

由梨…ではない。

清宮鈴奈、柊也先輩の元カノだった。



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