黒愛−kuroai−
 


「愛美?何で驚かないの?」



「思ったより大した事件じゃないから。

あの子、白ジャージ着て調子に乗ってたし、そんな事もあるんじゃない?」



「え…でもさ……」





菜緒の話しを遮るように、ミニトマトにブスッと箸を突き立てた。

トマトの汁が机に飛んだけど気にしない。




「真っ赤な机に、カラーピンね…

ヌルイよ…私なら、机より本人に…サシタイナ…」




刺したミニトマトを口に入れ、ニッコリ笑って見せた。


何故か菜緒の顔から血の気が引いて行く。




「まさか…犯人…愛美じゃないよね…?」



「ん?まさか」





犯人が誰かは知らないヨ…

でもね、憧れの白ジャージを着るあの子はムカツクから…

気持ちがイイネ…




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