黒愛−kuroai−
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カラーピン事件の犯人は見付からない。
焦る先生達を尻目に、嫌がらせは繰り返された。
3日後の朝、今度は玄関から悲鳴が聴こえた。
中沢亜子の上靴が真っ赤に染められていた。
そして靴の中には、山盛りのカラーピンが…
7日後の昼は、
彼女がお弁当の蓋を開けると、ご飯の代わりにカラーピンが入っていた。
10日後の放課後は、
テニスコートに向かう彼女の頭上に、大量のカラーピンが降ってきた。
3〜4日開けて繰り返される嫌がらせ。
そのせいで彼女は最近元気がない。
ショートカットの快活な髪型、猫のような強気な瞳、
白ジャージを着ると、ペルシャ猫のように生意気に見えた彼女が、
今は段ボール箱で震える捨て猫みたいだ。
中沢亜子は怖がっている…
見えない犯人に恐怖し、
震えているのに…
まだ、テニス部を辞めないみたい…