黒愛−kuroai−
 



「はっきり言うけど、亜子がこのまま部に残ると困る。俺達テニス部員が困るんだ」



「え…?」




被害者面した彼女は、不思議そうな顔をした。



きっと今こう思っている事だろう。

「嫌がらせに困っているのは私だけ。なぜ先輩達まで困るの?」




彼女は瞳を揺らし、戸惑っていた。

柊也先輩は、優しく説得するのに疲れたみたいで、冷たい声でこう言った。




「“ケンイチ's Collection”見てる?」



「あ…学校裏サイトの…
最近は…怖くて見ていません…」



「亜子の嫌がらせについて、スレッドが立ってる。

それを読めば、俺の言ってる意味が分かるから」




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