黒愛−kuroai−
ハイジョ ケイカク
 



 ◇◇◇


7月上旬、
今日は校内マラソン大会の日。



暑い日差しの中、何故5Kmも走らねばならないのか…

やる気があるのは運動部の生徒だけ。

その他大勢の私達は口々に不満を漏らしている。




グチグチ言ったところで学校行事は変えられない。

長い髪をポニーテールに結わえ、渋々スタートポイントに向かった。



スタートは校門前、2.5Km先で折り返し、学校に戻ると言うつまらないコースだった。



全校生徒が一斉にスタートするため、校門は物凄い混みようだ。


やる気のない私は後方で菜緒とお喋り中。

走る気もなく、のんびり歩いてゴールするつもりでいた。




その時、人がひしめく中に、白ジャージの一団がチラリと見えた。



スタートポイントの前方は、やる気満々の運動部の生徒達。

その中にテニス部も混ざっているのだ。




「菜緒!悪いけど、私前に行くから!」


「はあ?何やる気出してんの?まさか走る気?」


「走る!柊也先輩と一緒に!」


「ああ…そういうこと…」




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