我が子がオッサンに見える件について
きっとタクの事だ。

何か忘れ物をして戻ってきたのだろう、私はガチャっと鍵を回しドアを開けた。

「タク? なんか忘れ物したの?」

「……こんにちは……」

愛しいタクの声が確かに、聞こえたはずなのにドアの前に立っているのは、タクと背丈は変わらない小柄で小太りな男が立っていた。けど、くぐもった低いハスキーボイス。声からして大分歳を取っている気がする。
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