我が子がオッサンに見える件について
やたら顔を近付けて話すそいつに薄気味悪さを覚える。

「はぁ……」

顔を逸らしながら受け答えをする。

「奥さんの様に花粉症でお困りの方に我が社の目薬なんていかがでしょ? 何、お代は要りません」

そいつはそう言って私に目薬を差し出した。

私は恐る恐るそれを受け取った。緑色の蓋した小さなプラスチック製の容器に入ったごく普通の目薬。

――よし、こいつが帰ったら捨てよう!

私は、
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