我が子がオッサンに見える件について
“ありがとうございますっ”と出来る限りの愛想笑いを浮かべドアを閉めようとした。

が、また足を入れて来た。
「くれぐれも捨てようなんて考えないで下さいね……」
「は、はい……?」

 読まれてる……! 何なの? この人?

「捨てるだなんて……オホホホッ、しませんわよ……そんな事」
 笑顔を引き攣らせながら言葉を返す。

――プルルルッ!

その時、リビングの方から電話の音が鳴り響く。

「あ、ごめんなさい……」
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