我が子がオッサンに見える件について
 最近帰りが遅くて心配だわ。やっぱり塾まで迎えに行くべきかしら?

口元に手を当て、時計を見つめる。 長い針はもうちょっとで2を指そうとしていた。

塾の先生に電話しようかと思ったその刹那――

「ただいまー」
玄関から可愛いタクの声が聞こえて来た。

さいばしを置き、タクの元へ駆け寄った。
もちろん満面の笑みで。

「お帰りなさい、タ…………ギャアァァァ――ーッ!!」
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