深愛なるキミ
トントンと肩を叩かれ、我に返る。いけない、いけない。変なこと考えちゃった。



【疲れた?少し休憩しようか?】


「そうだね。ちょっと休憩していいかな?」



動物園の中にある広場まで歩いて2人、ベンチに座った。


少しだけ風が吹いて心地いい。少しだけまたヒロムくんの前髪が浮いて急いで彼はそれを下ろした。



「ヒロムくん、顔、見せるの嫌?」


【ごめん。ひなたちゃんはこんなに前向きなのに僕は顔を見せることも出来ない。話すことも出来ない、顔を見せることも出来ない。


周りからは陰口言われてこんな僕はひなたちゃんのそばにいちゃいけない。分かってる。だけど、それでもひなたちゃんに会いたいと思ってしまう】
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