「でも、何で姫なんだろうね」
「何でって?」
「だって姫だよ。ただのサラリーマンの娘なのにさ」
 姫子はあたしのポップコーンを奪い取ると、全部地面にばら撒いた。
鳩が一斉にやってきてあたし達は走って逃げた。
少し寒くて、それでも握った手は暖かかった。
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