誰よりも優しい総長様
「あー、急に集めてすまねーな。俺が烈火の総長で柚那の兄の弘毅だ。」
「えっ!?姫のお兄さん?」
「嘘だろ?」
小声でだがそんな声が飛び交う。
「静かにしないか。」
その場を沈めたのは副総長だ。
あの人は滅多に怒らないけど、怒ったらなかなか手に負えない。
そのために全員にまた緊張感が張り巡らされた。
「えーっと、知ってると思うが、今柚那と慶は意識がない状態だ。そのためにここに総長が不在になる。だから、その為にどちらかの目が覚めるまで俺が兼任することになった。」
突然告げられた事実。
周りの下っ端達はやはり動揺を隠しきれずには居られなかった。
そんな時に話し出したのが副総長だった。
「これは僕とここに居る幹部の3人と出した結論なんだ。頭が居ないと分かれば昔の二の舞になってしまう。せっかく取り戻した地位なんだ。2人ともが戻るまでの繋ぎだと思って欲しい。」