誰よりも優しい総長様
慶side
ここは一体…
辺りを見回して目に入るものは何一つなかった。
ただ暗闇がひっそりとあるだけだった。
俺はなぜ今ここにいるのだろうか?
何かあったはずの記憶がどこにも存在し無かった。
誰かを守るために戦い
そして何かを伝えようとしていた。
一体それは誰に対してなのか
そして、いったい何をしようとしていたのか。
俺は不思議な感覚に合っていた。
そんな時
「…い………け………け…い……」
遠いような近いようなそんな場所で誰かが俺を呼んでいることに気がついた。
その声はどこか懐かしくとても愛しい気持ちにさせてくれた。
そして俺は声のする方へ1歩1歩ゆっくりと歩き出していた。
そしてそんな暗闇の中での意識は次第に途切れていった。