誰よりも優しい総長様
でも、この日だけは特別だったんだ。
あたしが柚那ちゃんの病室に行けばそこには神紅の加代ちゃんや蓮くん、伊月くん、そして慶くんの姿があった。
「こんにちは。」
「卯月ちゃん、こんにちは。」
そう返事を返してくれたのは伊月くんだった。
「んんっ…」
この声!?
あたしは思わず柚那ちゃんのベッドに近寄った。
柚那ちゃんの表情は何かに魘されてる様に苦しそうだった。
「さっきからずっとこんなんなんだ。」
そう言われあたしは慶くんの方を見た。
慶くんはここ1ヶ月で随分窶れていた。
いつ倒れてもおかしくないのに、そんな体でずっと側に居たんだ…
「柚那!?」
蓮の突然の叫びにみんなが柚那ちゃんを見た。
「んんっ…」
ゆっくりと開かれる柚那ちゃんの目
あたしは思わず柚那ちゃんを抱きしめた。
「う…づき…苦しい…よ」
柚那ちゃんにそう言われそっと抱きしめていた腕を緩めた。