誰よりも優しい総長様
寒さも増して厚着が定番になってくる頃。
あたしは今日もリハビリをしてた。
前までは立つことさえままならなかったのに、今となっては松葉杖で歩けるぐらいには回復していた。
「ほんと、柚那ちゃんは若いから回復が早いわねー。」
そう言ってくれる担当のナースさん。
「それ、麻耶さんに言われたくないなー。年そんな変わらないのに。」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。」
看護師の足立 麻耶 アダチ マヤさん。
優しくてお姉ちゃんみたいな人。
とっても面倒見がいいの。
すると麻耶さんは時計を見てからあたしに伝えてくれた。
「そろそろね。彼氏くんが来てくれるの。」
時計を見れば16:00だった。
そんなタイミングで開く扉
ガラガラガラ
その先に居るのは慶だった。
「ほら、やっぱり。じゃあ、今日はこれで終わりね。後は2人でゆっくりして。」
それだけ言い残すと麻耶さんは部屋を出ていった。