誰よりも優しい総長様
柚那side
あたしの足もようやく治り、学校にも通えるようになっていた。
そんなあたしも今日から3年。
眠ってる間の授業とかで春休みがほとんど無くなってたりもしたけど、それでも無事に3年になることが出来た。
あたし達Sクラスはクラス替えに交じることがないからメンバーは変わらず。
だから、慶に卯月、伊月、蓮、加代ちゃんもまたおんなじだった。
そしてあたしは今年から単車で学校に通うことにした。
お兄ちゃんの後ろはもう飽きたからね…
そういう訳でまたいつもの朝が来る。
カチャッ
「おはよ。」
いつものようにリビングに入る。
「おねーちゃん。」
いつものように秀くんがあたしの足元に抱きついてきた。
そんな秀くんを抱き上げて椅子に座らせる。
「柚那、これ秀の分ねー。」
そう言って出てくる秀くんのご飯をテーブルへ運ぶ。
そんなことをしてる間にフレンチトーストの美味しい匂いが漂ってくる。
「はい、柚那の分。」
「ありがとう。」
それだけ言うとあたしは自分のを持って席についた。