誰よりも優しい総長様
そんなとき
ピーンポーン
家の中にインターホンの音が鳴り響いた。
「はぁーい。」
そう言いながら玄関へ向かうママ。
そんなママを他所にあたしは部屋に鞄を取りに向かった。
「柚那ー、慶くんよー。」
1階から聞こえるママの声。
「今行くー。」
それだけを言うとあたしは鞄を持って階段を降りた。
玄関に行けばママと慶が話している。
どうやらあたしが眠っている2ヶ月の間にここまでの仲になっていたらしい。
「お待たせ。」
そう言うと2人はあたしの方を見た。
「柚那、遅すぎ。」
「遅くないもん。」
そんな言い合いをしながらあたしは靴を履いた。
「柚那、行ってらっしゃい。慶くんもまた来てね。」
「はい。」
「「いってきます。」」
あたし達はそう言って家を出た。