誰よりも優しい総長様
俺が昔この街を離れた理由
それは病気
俺はあの時点でもうガンだと知らされていた。
治療の為にこの街を離れ他の街に移り住む。
生きていたい。
そんな思いから俺は離れる前にあいつと約束をした。
当時の俺は羨美の総長を任されてすぐだった。
先代がくれた俺の居場所
あの時の小さな誓いを胸に俺は一旦離れたんだ。
それからは街の大きな病院に入院をしてずっと治療の日々
どれだけ耐えても痛みは俺を襲ってくる。
そんな日々が何年か過ぎた時俺は言われたんだ。
「最善を尽すけど君のは大きくなりすぎた。最後はどうしたい?」
最後…
その言葉がやけに現実味を帯びていたのにも関わらず俺は夢を見ている様だった。
でもこれが本当に最後ならあそこに戻りたい。
そう思ったんだ。