誰よりも優しい総長様


「失礼します。」


「おぉ、神城くん。どうかしたかね?」


そう、理事長室


「俺、そろそろ…」


そう言いかけた時、理事長は俺に1枚の封筒を差し出した。


「これを担任の所に持っていきなさい。君の言いたいことは分かってる。」


封筒の中身は退学届けだった。


すでに理事長のハンも押してある。


「ありがとうございました。」


それだけを行って俺は部屋を出て職員室へ向かった。


そして担任にさっきの封筒を渡す。


担任は中を見ると驚いていたが、すぐに納得してくれた。


「そうか…残念だな。」


「すいませんでした。んで、ありがとうございました。」


「うん。」


それだけを残すと次に向かったのは倉庫だった。


いつもなら後ろに柚那を乗せていたがもうそれをすることもない。


終わったんだ…


そう思うとやけに背中が寂しくなった。


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