誰よりも優しい総長様
俺は扉を出ていつもの場所に立つと話始めた。
「俺、神城 慶は本日を持って引退する。ついては…」
俺が引退すると言えばあたりは騒がしくなった。
そして続きを言おうとすれば立て続けに伊月も口を開いた。
「俺も引退するよ。」
「あたしもー。」
「俺も。」
そう言ってきたのは他でもない加代と蓮だ。
「慶が引退して俺らがしないのはおかしいでしょ?それに、引退が早まったって思えばどーってことないし。」
伊月がそうさらっと言いのけた。
「わりぃ。」
「慶の為じゃないんだから謝るとかなしね。」
加代…
「次の代はどーすんだ?」
そう尋ねる蓮
俺はもう1度下っ端を見ると噛み締めるように言った。
「次の総長は彰、副は慎吾、幹部には美弥、凛、康佑になってもらう。」
こいつらなら…
俺はどこかで自分たちを超えてくれると感じていたんだ。