誰よりも優しい総長様
柚那は俺の言葉を聞くなり病室を飛び出していった。
「ちょ、柚那!」
蓮も後を追いかけるように出ていった。
病室には俺と美空、玲の3人だけだった。
「慶、何でそんなんなら言わないんだ?」
「は?」
「泣いてるよ。」
そう言ってハンカチを俺に差し出す美空。
俺はどうやら無意識のうちに泣いていたらしい。
俺は美空の計らいを無視するように来ていた服の袖で涙を拭いた。
「で、なぜ言わない?時間がないくせに。」
「俺が居ちゃあいつは、柚那は幸せになんてなれーねーよ。だからだ。」
そんな時ハンカチを鞄にしまった美空が問いかけてきた。
「ねぇ、柚那ちゃんの幸せって何?慶くんと一緒に居ることなんじゃないの?柚那ちゃん言ってたよ。慶くんとこれからもずっと一緒に居られたらそれでいいんだって。その気持ちが幸せって事じゃないの?」
柚那…
お前一体…