誰よりも優しい総長様
よく見れば髪の色は柚那と同じ茶色だった。
そして目鼻立ちはたぶん俺だろうか。
ゆっくりと開かれる赤ん坊の瞳
それは青と黒のオッドアイの姿だった。
「可愛いでしょ?」
そう言って微笑みながら聞いてくる柚那。
その顔はまさに母親の顔そのものだった。
「あぁ。」
そしてゆっくりと微笑んだ時
カシャ
カメラを切る音が聞こえた。
柚那の携帯だ。
「せっかくだから撮っちゃった。」
そうやって無邪気に笑う柚那
そんな中でいつもの検診の時間らしく担当の看護師がやってきた。
「あら、無事に産まれたんですね。」
「おかげさまで。」
「可愛らしいわ。」
そう言って微笑みながらのぞき込んでいた。
「お名前は?」
そう聞かれた時俺は迷いも無く言った。
「由唯 ユイです。」
そう、俺と柚那の文字から1個ずつ取って由唯
俺と柚那の子供だって証
「そう、いい名前ね。」