誰よりも優しい総長様
由唯が泣き止む頃には、慶の両親とあたしの両親、そして玲や伊月たちも来てくれた。
そんな中で激しく機械音が鳴り響いた。
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
医師たちも慌ただしく動き回る。
しかし数分後には…
「14:35 息を引き取られました。」
そう言ってあたし達の方を向いて頭を下げた。
嘘…
そんなの嘘だよ!
ねぇ、誰か嘘だと、夢だと言って!!!
あたしは由唯を抱いたままそのまま床に崩れた。
「柚那…」
あたしの頬を涙が伝いその雫は由唯に落ちた。
由唯も何かを察したのだろう、泣き出す始末。
もう何がなんだか分からなかった。
それからはご飯も喉を通らず、母乳も出なくなった。
由唯は粉ミルクで育てることになり、あたしは栄養剤を打ち込む状態
そんな中でも慶の葬式は済まされる。
あたしにも声が掛かったが、生憎この有様
最後くらい
そう思っても体が言う事を聞かなかった。