誰よりも優しい総長様
「あ、起きられましたか?点滴終わったので帰っても大丈夫ですよ。あ、外でおつれの方が待ってますよ。」
それだけを告げると看護師さんは部屋から出ていった。
あたしは脇にあった鞄を持つと廊下へ出た。
廊下に居たのは玲、卯月…それにお兄ちゃん!?
「あ、大丈夫か?」
「え、あ、うん。」
「学校どうする?」
学校…
あたしはやっていけるのかな?
そんな時玲がふと口を開いた。
「3ヶ月だけ頑張ってくれないか?」
「え?3ヶ月で親父を説得させるから。」
そう言った玲の目はいつもよりも凛としていた。
「3ヶ月ね。絶対だよ。」
この時の玲は信じられる。
そう思っていたからあたしは了承した。