誰よりも優しい総長様


「あたしなんか美少女でもないのに…」


あたしは思わず顔を逸らした。


「あ、それより、なんで柚那ちゃんはここにいるの?」


「神崎 柚那って言えば…」


「やめてください!」



あたしは咄嗟にそう叫んでいた。


あれだけはもう話して欲しくないから。


そして、思い出したくないから。


でも、こちらに来てしまえばあたしを知らない奴などいないだろ。


だから嫌なんだ


ここに来るのは。


そんなことを思う間あたしはクラスの奴らの視線の的となっていた。


なかにはコソコソ話すものまで。


ダンッ


そんな時だったんだ。


卯月が黒板に向かって何かを投げそちらへと目線を向かせたのは。


いくらレディースの頭をやってるからって卯月はそれほどうるさいやつではないため、感情をむき出しにした卯月に驚いていた。


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