誰よりも優しい総長様


あたしは何も言えなかった。


「神城の席は…」


そう言ってキョロキョロする男


「おい、結城お前その席どいて、沢山の隣行け。」


つまり、あたしの隣は…


「神城は神崎のとなりだ。」


やっぱり…


慶はその言葉を聞くとあたしの隣の席へとやって来た。


「よろしくね、柚那。」


「う、うん。」


慶がこのクラスへ来るってことはきっと族と関係があるってことだよね?


でも、なんで今なの?


あたしにはショックでしか無かった。


慶が族と関わっているなら知っているだろう。


あたしがあそこにいないことを


そして約束を破ったことを


もし知らなかったとしてもいつかはきっと耳に入る


ねぇ、慶はその時あたしのことをどう思う?


軽蔑する?


その程度だったんだってあざ笑う?


所詮あたしはその程度だったんだよ。


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