誰よりも優しい総長様
でも、そんな毎日に終止符を打つ日が来たんだ。
そう、倉庫に警察が乗り込んできた。
そしてそこであたしは保護された。
警察に尋ねられることにもただ与えられた答えを述べるだけの話し方
それはまるで誰が見てもロボットのようだった。
あたしは家に帰っても変わらなかった。
表情が変わることも感情が生まれることも何一つ無かったんだ。
そんなあたしを前に勧めてくれたのが玲と卯月だったんだ。
2人が居たから今は少し笑えるようになった。
泣けるようになった。
少しずつだけど感情が生まれてきたんだ。
でも、その代わりにあたしは何も言わずに足を洗いあの世界からは遠ざかるように消えていった。
羨美のみんなにさえ挨拶もしないで監禁されたあの時のままからあたしはあそこへ行かなくなったんだ。
それ以来は族を拒み、周りを拒むようになっていた。
誰かと共に関わることにより闇へと貶める。
もう誰も傷ついては欲しくなかったから。
矛盾してるよね。