誰よりも優しい総長様

慶side



柚那はどこか遠くを見ながら昔を話してくれた。


もしもあの時俺が離れなければ柚那をここまで変えることはなかったのか?


久々に再開したはずの柚那からは笑顔が消えていた。


倉庫に行けば明るさも活気も存在しない。


ほんとなら、俺は柚那を見つけたら羨美に連れ戻そうと考えていた。


でもそれは本当にいいのか?


俺が羨美に戻った日奴らは俺に言った。


「慶さんのせいで柚那さんは居なくなったんだって…」


誰も知らない真実


でもそれを引き起こした原因は俺にもあった。


「ごめん。」


俺は柚那に対してその一言しか浮かばなかったんだ。


柚那をここまで苦しめたのも


大切にしていた場所から離れることも


俺があそこにいれば今も変わらなかったんだろうな。


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