誰よりも優しい総長様


懐かしい雰囲気にこの光景


あたしが守りたかった物がここにはあった。


「それよりも、慶と柚那。消えた2人が急に戻るなんて一体何事ですか?」


こんな場面でも落ち着いているのはやっぱり伊月だった。


「今から全て話す。みんなをそろえろ。」


そう言ったのは、他でもない慶だった。


ねぇ、みんなはあたしを


慶を


またもう一度羨美の仲間として受け入れてくれる?


急にそんな不安があたしの中をかけ巡ってきた。


そしてそれを癒すかのように突然握られた右手


慶だ。


「話すんだろ?お前だけじゃない。ここを1度捨てたのは俺も同じ。心配すんな。受け入れてもらえるよ。お前は。」


そう言った、慶。


でも、あたしは聞き逃さなかった。


お前は。


の部分を。


それはもしかすると慶を受け入れてくれない。


そんなことを予知しているようにも考えられた。


「揃えたよ。」


そう言って入ってきた伊月。


慶はそれに頷くとあたしの腕を引っ張りながら扉を出た。


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