誰よりも優しい総長様
そんな時下っ端の1人が前に出てきた。
「慶さん、柚那さん、何も知らずに勝手に勘違いしててすみませんでした。」
そう言ってみんなが頭を下げる。
「俺らがこんなことを言うのもアレなんですけど、やっぱり羨美にはお2人が必要なんです!戻ってきてください!」
「お願いします!」
1人がそう言うとあちこちから言葉が上がっていた。
あたしはそっと慶の方を向いていた。
流石の慶も驚いているみたい。
「分かったろ?俺らには慶も柚那も必要なんだ。もう一度俺らと共に戦ってくれ。」
そう言って伊月の方を見れば後の2人も頭を下げていた。
「本当に良いのか?」
「ったり前だろ。んのために開けて待ってたんだと思ってんだよ。」
思わず目頭に涙を浮かべていたあたし
「こんな奴ですまないが、もう一度ついてきて欲しい。頼む。」
そう言って頭を下げる慶に釣られるようにあたしも頭を下げた。
「もちろん!ついていきます!」
そんな威勢のいい声が上がった。
これがあたしの守りたかったもの。