誰よりも優しい総長様
あたしは食べ終えると台所へお皿を持って行った。
「ごちそうさま、ママ。」
「お昼どうする?」
「いつものでいい。」
それだけのいつもの会話をママとも交わす。
「おねーちゃ。食べたぁ。」
そんな時に飛んでくる秀くんの声。
あたしは秀くんの食べ終えたばかりのお皿を台所に出すと、秀くんを椅子から降ろした。
ガチャッ
そんな時に開く扉。
誰が開けたかなんてそんなのは言わなくても1人しかいない。
このリビングに揃っていないあたしの家族。
間違いなくお兄ちゃんだ。
「ういっす。」
ほらね。
寝起きのお兄ちゃんの髪は子供のように無造作に跳ねていた。
「おはよ。」
そんなお兄ちゃんに声をかけてあたしは洗面所へと移動した。