誰よりも優しい総長様
そんな時
あたしは腕を引かれ空き教室へと連れていかれた。
「ちょっ、これから授業なのになんでここ!?」
ハァ
慶はため息をついていた。
ってか、なんでため息?
そんな半怒り気味のあたしに向かって慶は冷静に答えた。
「あのさぁ、そろそろ姫だって自覚してくれないか?言ったよな?お前を傷つけたくないって。」
「でも!あたしのせいでみんなが傷ついたりするのに1人だけ守られてるなんて嫌!それならあたしだって戦いたい!」
「柚那の考えも分かるよ?俺だって出来ることならお前に背中を託したい。」
「ならっ!」
でも、あたしが次の言葉を言う前に慶によって遮られた。
「でも、お前は女なんだよ!好きな奴の傷つく姿なんて何があっても見たくないんだよ!それぐらい分かれよ…」
慶の言葉の最後の方はとても弱々しかった。
でも、そんなことを思ってくれてるなんて思わなかった。
あたしは守られるだけは嫌だ。
それだけで反対してた。
でも、慶はちゃんと考えてくれてたんだね。