誰よりも優しい総長様
柚那side
慶と付き合うことになり数日
あたしは今理事長室に居た。
あたしの隣には玲と卯月そして慶がいた。
そう、最初に約束していた3ヶ月が過ぎたのだ。
「柚那ちゃん、どうするんだい?」
玲のパパに尋ねられたあたし。
そんなあたしが最初に視線を向けたのは慶の方だった。
そしてその後に玲のパパに視線を向けた。
「羨美の様にとはいかないけど、あたしは今神紅の姫。あの時から何も変わらないならきっとあたしはSクラスじゃない方が良いって言うと思う。でも、今は違う。神紅の姫である時点で族に関わってる。だからあたしは今のままSクラスに居る。」
「そうか。やっぱり神城くんのおかげかな?」
そう言って玲のパパは慶の方を見た。
そして、すぐにあたしにその視線は戻ってくる。
「あのことは…」
あのこと
あたしが誰にも話そうとしなかったこと
「知ってる。神紅に居る者には話したから。」
「そうか…」
そんな時卯月がぽつりと呟いた。
「流石だよね、神城くんは。いつだってそう。あたし達じゃ何もできないのに神城くんはすぐに柚那ちゃんを救い出すんだもん。」
「卯月…」