誰よりも優しい総長様


「ならこれは?」


そう言って次に持ってきたのは肩の部分が開いているニットに黒いタンクトップの重ね着だった。


「うーん、これなら着るかな?」


「じゃあ、きまり!」


それだけ言うと卯月は服を持ってさっさとレジに並んでしまった。


「ほんと、早いよねー。」


そんなことを呟くあたし。


しばらくすると支払いを終えて卯月があたしの元へと戻ってきた。


「はい、こっちが柚那ちゃんの分ね。」


そう言って卯月はあたしに紙袋を渡してきた。


「いくらだったの?」


そう卯月に尋ねるあたし


でも卯月は首を振った。


「これはあたしからのプレゼント!だから、柚那ちゃんはお金を払わなくてもいいの。」


「プレゼント?なんで?」


確かあたしの誕生日はまだだった筈なんだけど…


「とりあえず、深いことは気にしないの!次行こ?」


そう言われてあたしたちはいろんなショップを巡った。


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