誰よりも優しい総長様
「危険?」
そう訪ねたのは俺ではなく玲だった。
「あぁ、今の乱舞は昔以上に危険を増してる。拉致られてるのが柚那だけならともかく卯月ちゃんも一緒となれば尚更だ。」
「卯月は、あいつは沙羅 syara のトップだぞ!?」
俺はその言葉に思わず目の前にある机を蹴っていた。
ガンッ
「っせーんだよ!伊月が危険って判断すればそれはもう危険なんだよ!卯月が沙羅の頭であっても今回は中身がちげぇーんだよ!」
そうだ。
乱舞は拉致ったのが誰であれやることは変わらない。
伊月が危険だと言ったのはきっとチャカ
つまり銃があるから。
俺らが迂闊に近づけないのはそこだ。
俺と柚那だけならチャカの弾を避けることは簡単だ。
でも今回はそうは行かない。
卯月が居るから。
卯月は沙羅の頭ではあるが弾を避けることは不可能だ。