誰よりも優しい総長様
そんな具合に余韻に浸っていると急にエンジンが止まった。
どうやら学校についたらしい。
「ほら、俺は止めてくるから、お前はここで降りろ。」
そう言われあたしはバイクを降りて被っていたメットをお兄ちゃんに渡した。
「はい。これもよろしく。」
「おう。」
お兄ちゃんは返事をすると、すぐにエンジンをふかしバイクを止めに行った。
さて、どこに行こうかな。
そんなことを考えているときだった。
「ゆーずー。」
声の方に振り向けばあたしの声を呼び手を振りながらかけてくる彼女の姿。
彼女とはあたしの親友の美空 卯月 ミソラ ウズキ の姿があった。
その後ろには幼なじみの杉本 玲 スギモト リョウ の姿。
「あ、卯月に、玲。おはよ。」
あたしは近づいてくる2人に声をかけた。
「ゆず、クラス表見た?」
「いや、見てない。」
そんなことを話すあたしと卯月の会話に玲が割り込んできた。
「お前と卯月は同じ。俺だけバラだよ。」
そう言った玲は少し不満そうだった。
そりゃ当たり前だろうね。
だって、卯月と玲は付き合ってるんだもん。