誰よりも優しい総長様
「乗っかるか…」
「え!?」
俺の言葉に部屋にいた者は驚いた。
「慶、それがどういうことか分かってんのか?」
「分かってますよ。でも、俺らだけだといくらなんでも人数が少なすぎる。少しでも時間稼ぎをするならそっちの方がいいと思うんです。」
「それなら僕も賛成かな?」
そう言ったのはパソコンに向かう伊月だった。
「俺もそっちの方がいいと思う。族には詳しくねーけど、組としてなら俺もその手を使うだろうし…」
「組…?」
俺は玲の口から出た組という言葉に驚いた。
だってそんな話一度も聞いたことなんて無いんだからな。
「あ、言ってなかったっけ?俺が3代目杉本組の組長候補であり、若頭だって。」
「聞いてねーよ!」
何!?
こいつが杉本の若頭なのか?
だとしたら…
俺はいらぬ予感を招いていたのだった。
「とりあえずだ。乗っかるならそれなりに準備するぞ。」
弘毅さんの言葉で俺は我に帰り、下っ端を集めさせた。